Product Lifecycle Management Support
PLM支援
サービス詳細
日本製造業の現在地点と目指すべきもの
最適なPLMの導入(BOM構造の要件定義と運用)は今後の製造業に必ず必要になるだろう。なぜなのか?まず日本製造業の現在地点から確認したい。(※BOM:Bill of Materials/部品表) 日本の現場は非常に生産技術力が高い≒現場力が高いと言えばなんとなくニュアンスは伝わるのではないだろうか? では、当該現場力が何かといえば…製造現場での調整力である。たとえば、現場に負荷がかかる設計(製造工程が複雑になる/加工が多く工程が多岐にわたる様な)ワークであっても、現場の担当者が新たな治工具の設計/導入、毎日の地道な改善によって要求されたQCDに近づけ、遂には要求以上のQCDを達成してしまう。このような現場力によって日本は世界でも屈指の製造業強国になった。 現場の担当者の努力の積み重ねで強くなった日本の製造業であるが、一方で設計をする時点でQCDの磨きこみができたらもっと素晴らしくないだろうか?設計の時点で、現場の調整を最低限にできる設計ができればどうだろうか?保全(サービスで製品を直すこと)の容易性が担保された設計ができたらどうだろうか?もしくは、社内の現場リソース(工場のスペース、工作機械の種類と数、人工、ロボットや専用措置)を鑑み量産が得意な構造を設計時点で想定できたらどうだろうか? 見積に関しても、原価の積み上げになっており…車載企業(自動車に搭載されるモジュールを製造する企業)は、完成車メーカーに価格を提示するのに半年前後の時間が必要になっているのが実情だが、設計時点でおおよその原価が分かったらどうだろうか? この様に、QCDを経営の観点からコントロールする手法をPLMといい、グローバルではPLMの構築が着実に進んでいる。 グローバルではPLMの導入が当たり前になっているが、日本でのPLM運用は壊滅的と言っていい。ほとんどの企業で上手くいかず、多くの屍(しかばね≒プロジェクトの失敗)を見てきた。なぜかというと…前述した日本の強みである現場力があるが故にPLMの導入が阻まれている事象が多くある。 日本ではPLMの導入が何故上手くいかないのか?それは、設計から製造までのエンジニアリングチェーンを紐解くと見えてくる。製造業と聞くと工場で機械が大きな音を立てながら稼働していることをイメージする方も多いだろうが、工場だけでは工業品はできないのである。工場で製造をする前に様々なすり合わせを行っているのだ。
工場で製造をするまでの流れはこうだ。まずエンジニアリングを行う。例えば強度の計算や流体解析、経年劣化を模擬したシミュレーションなどを行い、製造が可能か?商品が世の中にリリースされた際に問題無く利用できるか?ということを煮詰めていく。多くのデータを取得したエンジニアリング情報を基に図面(設計)情報を構築するが、同時に部品表(BOM)を作成する。この部品表は料理で言うとレシピの材料表みたいなもので、いい味になるように…材料を選定していくイメージだ。エンジニアリングの積み重ねたデータを基に部品表を作成する(この部品表はエンジニアリング情報から構築されたものだから、E-BOM/ Engineering-BOMと呼ばれる)。 エンジニアリングの次のステップで製造が可能か?というとそうではない。エンジニアリング情報以外にも様々な情報が必要だ。例えば、自動車は3万点の部品で構成されており、サプライチェーン情報も必要になる。仕向け知や地政学リスクも考慮する必要があり、部品ごとのサプライヤーのリストの構築や、欧州向けの商品であれば、RoHSやREACH規定(欧州指令で定められた金属の含有量の上限値を保証する規定)への対応や原価情報も必要である。このようなエンジニアリング以外にも様々な情報が必要であり、このような情報はM-BOM(Manufacturing-BOM)として管理していくことになる。 E-BOMからM-BOMへの展開を行ったとしても、製造(ものづくり)ができるわけではない。現場は様々な工程があるので、工程の設計をしなければならない。要するにBOP(Bill of Process)として情報を展開していくのである。 この様にE-BOM、M-BOM、BOPへ展開して初めて製造工程へワーク(製造対象物)を流すことができるのである。今は令和となり皆がスマホを持ち、写真や文字情報を容易にLINEなどのアプリを使って情報を交換できる時代なのだから、E-BOM~M-BOM~BOPへの展開は、滞りなく伝達できていると思うかもしれないが、信じられないことに日本の製造業はそうなっていない。情報は連携できておらず、人と人が都度すり合わせを行うバケツリレー構造になっている。言い方を変えれば情報の断絶が起こっている。例えば、弊社がお手伝いしている自動車Tier1企業では、E-BOM、M-BOM、BOPへ情報を伝達するまでに、10回以上も転写作業が必要になっている。様々な部署が関連しあう製造業では、単純にBOM情報が展開されるわけではなく、様々な部署にその時々に必要となる情報をコピー/変換を行い引き渡す必要があり、10回以上の移し替え(バケツリレー)になってしまっている。 さらに…R&D、設計、生産準備、生産管理、調達、生産技術と様々な部署があるが、過去に各部署が効率化を求めた結果として縦割り構造になっており、部署ごとに様々なシステムが動いていることもデータ連携を阻む壁になっている。
なぜ日本はデータの連携がここまで遅れてしまったのか? それは日本が製造業でJapan as Number Oneと言わしめた現場力にこそその理由がある。 今までの、、いや今でもなお日本の製造現場をコントロールしているツールは2次元図面であり、この2次元図面で日本の強い現場を構築し、コントロールしているのである。例えば、切削の工程、素材の位置決め方法、ツールパスなどを2次元図面に記載してものづくりを円滑に進めている。仕様変更等があれば2次元図面を更新しながら現場をコントロールしていく。2次元図面による改善、改定こそ日本の強い現場を創生した。2次元図面こそが現場での「コミュニケーションツール」だった。しかしながら、データ連携によるものづくりがグローバルで展開されつつある現代では、2次元図面のみの運用だけでは無理が生じてきている。 前述した通り、製造業の起点はE-BOMにある。E-BOMを構成する際は、3Dモデルを活用しながら業務を進めるが、現場での運用は2次元図面主体であるため、わざわざ工数をかけ2次元図面に変換しているのである。その時に描き起こされた2次元図面は、M-BOM~BOPの展開の中で活用されるだけに留まらず、現場の運用から保守メンテまで少し形態を変えながら使い続けられる。 今までは2次元図面に変換し、2次元図面のみを運用する方式でよかったが、2次元図面に現場動態が集約されるため、E-BOMの際に吐き出される部品表(BOM)に現場動態やメンテナンス情報等が紐づかないのだ。(2次元図面は改定されるが、現場改定した履歴はデータとして各BOMに紐づかず、データとしても残らない。) 決して2次元図面が悪いということを言いたいわけではないが、データ連携とそのデータ連携によって導き出される情報で経営の意思決定ができるようになりつつある現代では、現場の動態(改善による原価低減や在庫品圧縮の成果等)が各BOM情報と紐づかないのは致命的になりつつある。要するに過去実績(データ)から最適なQCDを導き出すことができない構造に日本は陥っている。言い換えれば感覚に頼った運営を続けているのである。 2次元図面で世界を制覇したことや、縦割り構造によってさまざまなシステムを構築してしまったことで、旧来のバケツリレー構造から脱却できず、現代では逆にレガシーシステムとして変革を起こす足かせにさえなっているのが実情だ。
弊社のお客様は誰もが知る車載Tier1メーカーや、電機、機械、半導体製造装置メーカーなどを顧客に持つが、多くが同じ構造に陥ってしまっている。非常に危機的状況である。 一方で世界を見渡すと全く違う風景が広がる。PLMの運用に成功している企業が存在している。例えばSiemensだ。自ら工場を保有し製造も行っている巨大企業だが、CADシステムやPLMシステムを展開もしており、シームレスな製造を実現している。フランスのルノーはPLMによるデータ連携を果たすだけではなく、AIによるソリューションと組み合わせ、自動車に搭載される各部品の値上がりを予測することさえ可能になっている。(弊社はドイツのBMW本社やダッソー本社にも訪問しており、現地で確認した情報を基に記載している。) このように、グローバルではBOMを基軸としてデータから、QCDをコントロールする経営が実現しつつある中、日本はデータ連携を果たせず、感覚経営を続けるのだろうか?果たしてこのまま戦っていけるのだろうか? さらにAIを味方につけなければならない。生成AIの登場によってPLMの世界は大きく変わるはずだ。Salesforceのソリューションは、保守メンテ情報の多さから個社別にカスタマイズされたCopilotが保守メンテの営業プランを提示してくれる。BOM情報を整理しておけば、設計にさかのぼっての活用も始まるはずだ。既にChatGPT 4oであれば、切削条件を入れればNCコードの生成も可能になっている。要するにAIがCADを認識できるようになっているのだ。整理されたBOM情報は今後の日本の製造業には必要不可欠なはずだ。しかしながら、前述した通り日本の製造業はBOM情報が整理されておらず、情報がバケツリレー形式となっており、各部署が独自の形で保有している。 弊社がお手伝いしている売上1兆円を超える車載企業は、グローバルで3000以上ものラインを保有している。つまり、自社の得意としているモデルが不明確であるが故に、御用聞きに徹して膨大な数のモデルを抱えてしまっているのだ。QCDが上流側でコントロールできるのであれば、ここまでのモデル数を持たなかったはずだ。(※モデルが増えれば増えるほど、量産の効果が薄まりQCDは安定しないはずだ。) 世界に名だたる装置メーカーでさえも、運用は昭和から停滞している。仕様の管理の多くはofficeソフトで行い、データ連携などとは一番遠いところにいるのが実情だ。 この様な状況で日本の製造業が戦っていけるとは到底考えられない。そして、このようなレガシーな製造業を未来に残すこともできないはずだ。 複数の企業とPLM改革を行っているが、メーカーのエンジニアも弊社のエンジニアもみな同じ思いで取り組んでいる。 弊社はこの道20年の歴戦のPLM技術者たちと一緒に改革に取り組んでいる。みな50~60歳のおっさんばかりだが、最強のエンジニア集団だ。我々は、業務改革の目的を深堀することから、グランドデザイン、そしてPLMのインプリメントを並走して行う。他の企業と一線を画すのは、決して決まったPLMシステムを導入することを目的にしていないことだ。顧客は自分たちにあった最適な運用を、歴戦のPLM戦士たちと膝を突き詰め議論して、最適な道を一緒に選んでいく。 一緒に日本の製造業を作り直したい!若者に日本の製造業を残したい!そう思う方は問い合わせて欲しい。 そして、PLMの一番の壁は…部署の隔たりがあったり、役員層の説得が必要だったりと人に起因することが往々にしてある。その点も安心頂きたい。ものづくり太郎が直接訪問して、講演を行い、必要性を一緒に訴え、役員たちのマインドさえも変えるからだ。
ご契約の流れ
1
フォームより必要項目をご入力
担当者よりご返信させていただきますので、下記フォームよりお問い合わせください。
約3営業日
2
弊社担当と初回打ち合わせ
過去の実績の紹介と、弊社サービスの説明をいたします。
約5営業日
3
集中討議
グランドデザインを実行する前に、各部門のメンバーと1日~2日をかけて現状の把握を行います。 企業に潜むボトルネックを明確化し、グランドデザインに必要となるメンバーの選出や切迫感のある提案書(案)を提示します。
FAQs
Q1.
PLMとはなんですか?
A1.
Product Lifecycle Managementのことで、製品の企画から設計・開発・販売・ サービスまでの一連のプロセス、製品ライフサイクルを管理する手法のことです。
Q2.
どのような企業にPLMは必要なのか?
A2.
設計から製造までレガシーシステムを使用しており、かつ、設計、調達、生技などが 個別のシステムを利用し、サイロ化し連携できていない企業には大きな効力を発揮します。
Q3.
各部門を巻き込む必要があるが、説得ができない場合はどうしたらいいか?
A3.
社長や役員レイヤーへの説得や提案も弊社が代行することもできます。 各社のボトルネック(最大の困りごと)に応じて、適切な打ち手を提示します。